イーサリアム(ETH)の価格は、AI活用の進展、スポット型ETH ETFの資金流入、そして「Pectra」アップグレードの効果が相まって、2025年に過去最高値を更新する可能性がある。
2024年5月7日から14日までの1週間で、ETHは約43.6%上昇し、2,600ドル台を回復した。しかし、2021年の高値である4,868ドルには依然として届いておらず、今後の展開にはいくつかの鍵が存在する。
第一の要素はETF市場での動向である。ETHは現時点で唯一、ビットコイン以外にスポット型ETFが上場されている銘柄であるが、5月中旬の米国市場では400万ドルの純流出が記録され、機関投資家の関心は限定的だとされる。一方で、ステーキングと現物ETFの「現物受け渡し型」承認が実現すれば、投資家の関心を大きく引き寄せる可能性がある。
次に注目されるのは、2021年に導入されたバーン(焼却)メカニズムと、最近の「Pectra」アップグレードである。このアップグレードにより、レイヤー2ネットワークでのトランザクション処理効率が大幅に向上し、Baseネットワークは1か月で2.4億件以上の取引を記録した。ネットワークアクティビティがこのまま拡大すれば、ETHの供給抑制に再び貢献するだろう。
さらにAI分野との連携も価格高騰の要因とされる。Ethereum支持者のEric Conner氏は、ChatGPTのようなAIがマルチシグ対応のレイヤー2を活用し、商取引や資産配分を自動化する可能性を指摘している。スマートコントラクトの利用拡大がETH価格の上昇を後押しする構図だ。
市場には競合も存在するが、米国の規制環境がXRPやADA、SOLなどに慎重な姿勢を見せている今、ETHが唯一の有力選択肢となる可能性もある。これらの要素が好転すれば、ETHは2025年に5,000ドルという節目を超える現実的な道筋を描くことになる。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「3 reasons why Ethereum price could rally to $5,000 in 2025」
コメント
イーサリアムは2025年に向けて、大きな転換点を迎えつつあります。AIとの連携、レイヤー2の活用拡大、そして規制環境における優位性が揃えば、価格が5,000ドルを突破する可能性も十分にあると考えられます。ただし、機関投資家の動向やETF承認の有無、そして市場全体の地合いも大きな要素となります。価格の上下に一喜一憂せず、長期的な視点で技術と需給の動向を見極めることが大切です。