長年にわたり安全資産とされてきた金(ゴールド)が、今まさに分散型金融(DeFi)の力によって新たな進化を遂げようとしている。世界経済が不安定化し、株式市場が乱高下する中、金は再び注目を集めているが、依然として利回りを生まないという弱点を抱えている。
2008年の金融危機後に金価格は一時的に148%上昇したが、その後は10年近く横ばいを続けた。最近の高値更新も市場が回復すれば再び値を戻す可能性が高い。つまり、金は価値の保存には適していても、成長資産とは言い難い。
そこで注目されているのが、DeFiによる金のトークン化である。現在、Tether GoldやPaxos Goldといった金担保型トークンが存在するが、ほとんどは利回りを生まない。ただし、DeFiを活用すれば、この金トークンを貸し出したり担保として活用したりと、実際に「運用」することが可能になる。
さらに、金採掘企業が自社の金埋蔵量をトークン化し、それを安定通貨化して運用すれば、新たな利回り戦略も構築できる。DeFiによるトークン化は、24時間取引、即時決済、透明性といった利点も備えており、金に新たな役割をもたらす。
今後、政府によるデジタル金融の規制整備とともに、金への関心はより高まると見られる。DeFiと金の融合は、伝統金融とデジタル金融の架け橋となる可能性を秘めている。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「In volatile markets, RWAs like gold are a lifeline」
コメント
これまで金は「守りの資産」として広く認識されてきましたが、DeFiの登場により「攻めの運用」も可能になる時代が近づいています。特に、安定性と利回りの両立を求める投資家にとって、金のトークン化とその活用は大きな魅力となるでしょう。DeFiを通じた金の進化が、伝統資産と次世代金融の融合を加速させるかもしれません。今後の展開に注目です。