米ニューヨーク東部地区連邦地方裁判所にて、暗号資産プロジェクト「SafeMoon(セーフムーン)」の元CEOブレイデン・ジョン・カロニー被告に対し、陪審員団はわずか数時間の審議の末、3件の重罪に関して有罪評決を下した。2024年5月21日、詐欺共謀、マネーロンダリング、通信詐欺の罪で正式に有罪となった。
この裁判は約2週間にわたり行われ、5月5日の陪審員選出から開始された。起訴内容によると、カロニー被告、元CTOのトーマス・スミス氏、そしてSafeMoon創設者のカイル・ナギー氏は、プロジェクトのトークン「SFM」を通じて数百万ドル相当の資金を横領・不正流用したとされている。スミス氏は裁判で検察側の証人として出廷し、一方のナギー氏はロシアへ逃亡中と報じられている。
本件は、暗号資産業界における詐欺事件への法的対応を示す試金石と見られており、2024年5月5日に就任したジョセフ・ノセラ連邦検事代行(トランプ政権任命)の初の重要案件と位置づけられた。
なお、カロニー被告の量刑言い渡し日は現時点で未定であるが、複数年の実刑が予想されている。なお、同様に詐欺で起訴された元Celsius CEOアレックス・マシンスキー被告には懲役12年、FTX創業者サム・バンクマン=フリード被告には25年の判決がそれぞれ下されている。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Jury convicts ex-SafeMoon CEO on all charges」
コメント
今回のセーフムーン元CEOへの有罪判決は、暗号資産業界における不正への取り締まりがより厳格になっていることを示しています。近年、CelsiusやFTXなどの大手企業でも幹部が摘発されており、業界全体にとって信頼性の確保が重要な課題です。投資家としては、プロジェクトの信頼性や運営体制を見極める力がこれまで以上に求められます。今後の動向にも注目しつつ、慎重な姿勢で市場と向き合うことが大切です。