Solana Labsの共同創設者アナトリー・ヤコヴェンコ氏は、ブロックチェーン業界における断片化と相互運用性の欠如を解消するため、新たなデータ可用性(Data Availability, DA)レイヤーの構想を提案した。2025年5月12日、X(旧Twitter)にて同氏は、EthereumやCelestia、Solanaなど複数のレイヤー1(L1)ブロックチェーンのデータを統合・順序付けする「メタブロックチェーン」の構想を公開した。
この「メタチェーン」により、最も低コストなDAソリューションを選択できる柔軟性が実現されるという。DAレイヤーは、トランザクションを検証するために必要なデータを提供する第三者的な役割を果たし、異なるチェーン間でのデータ共有を可能にする。
現在、L1ネットワークはそれぞれが孤立しており、相互通信が困難であるため、Web3開発者にとってクロスチェーン相互運用性は大きな課題となっている。他の主要プロジェクトもDA強化を進めており、たとえばEthereumは2025年末に予定されている「Fusaka」アップグレードで、EIP-7594を通じてメインネットをDAレイヤーとして拡張する見通しである。
ヤコヴェンコ氏は、「データ可用性を安価にすれば、あらゆるものが安価になる」と述べ、最終的には外部のシーケンサーを排除し、チェーン間のトランザクションをルールベースで統合する高度なシステムの構築も視野に入れている。
一方、Cardano創設者チャールズ・ホスキンソン氏は、2025年のパリ・ブロックチェーン・ウィークにて、暗号資産業界における「対立的なトークノミクス」の問題を指摘。業界全体が協調的な経済モデルへと転換する必要があると述べており、Cardanoは「Minotaur」と呼ばれる複数リソース型コンセンサス・プロトコルの開発を進めている。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Solana co-founder proposes meta chain to fix blockchain fragmentation」
コメント
ブロックチェーンの断片化は、現在のWeb3開発における大きな課題のひとつです。Solanaのヤコヴェンコ氏が提案した「メタチェーン」構想は、異なるチェーン間のデータを効率的に統合し、相互運用性を高める新たな試みとして注目されています。さらに、データ可用性のコスト低下は、トランザクション手数料の削減やスケーラビリティ向上にもつながる可能性があります。将来的に「誰でも、どこへでも」トランザクションを送れる世界が実現すれば、ブロックチェーンの実用性は大きく前進することでしょう。