タイ財務省は、小口投資家がわずか3ドルから購入できる政府発行のデジタル投資トークン「Gトークン」を発行する計画を明らかにした。これは総額1億5,000万ドル(約230億円)相当のトークン化された国債であり、同国の予算借入計画の一環として導入される。発表は2025年5月13日にピチャイ財務相より内閣会議後の記者会見でなされた。

トークンは今後2ヶ月以内に発行され、公共債務管理局のパッチャラ局長によると「債務証券ではないが、個人投資家がデジタル経済に参加する大きな機会となる」という。これまで、タイの個人投資家は多くの金融商品へのアクセスが制限されており、今回の施策は金融包摂を促進する狙いがある。

さらに、銀行預金よりも高い利回りを提供する予定とされているが、具体的な数値は明かされていない。現在、タイの商業銀行の1年定期預金金利はわずか1.25%であり、多くの投資家にとっては魅力的な選択肢となる可能性がある。

なお、このデジタル資産は暗号通貨ではなく、認可されたデジタル資産取引所での取引が想定されているが、外国人居住者にはアクセスが制限される。

世界的には、トークン化された債券市場は急拡大しており、2025年にはオンチェーンでの債券価値が2倍の2億2,500万ドルに達している。また、トークン化された米国債の価値も今年だけで73%増の69億ドルに達するなど、今後の動向が注目される。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Thailand to tokenize $150M government bonds for retail investors: Report」

コメント

タイ政府が導入する「Gトークン」は、3ドルという低価格から国家債券に投資できる画期的な仕組みです。これにより、これまで金融商品へのアクセスが難しかった一般市民も、手軽に国の経済活動に参加できるようになります。特に預金金利の低さが課題とされる中で、より高い利回りが期待できる新たな選択肢として注目されています。今後、日本を含む他国でも類似の動きが広がる可能性があり、個人投資家にとっては世界的なトレンドを見極める好機です。