米国領北マリアナ諸島に属する太平洋の小島・ティニアンが、米国の公的機関として初めてステーブルコインを発行する可能性が高まっている。地域議会は、インターネットカジノのライセンス発行とステーブルコイン「Marianas US Dollar(MUSD)」の運用を認める法案に対する知事の拒否権を覆し、法案を成立させた。

同法案では、ティニアン財務官がMUSDを発行・管理・償還する権限を有し、発行は2021年にBitcoin Cashから派生したeCashブロックチェーン上で行われる予定である。MUSDは現金および米国債によって裏付けられ、マリアナ諸島の企業Marianas Rai Corporationがインフラを独占的に提供する。

議会では経済危機打開の手段として本法案を支持する声が多かったが、一部では違法賭博の温床になる恐れや、文化・環境への影響を懸念する反対意見も見られた。

この取り組みは、ワイオミング州よりも早く発行に至れば、米国初の政府発行ステーブルコイン事例となる可能性がある。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Stablecoin bill passes in Northern Marianas as House overrides veto」

コメント

米領ティニアン島がステーブルコイン「MUSD」の発行に踏み切ることで、地域経済の再生とデジタル産業の育成が期待されています。観光依存からの脱却を目指すこの動きは、今後の地方自治体によるWeb3活用の先例となるかもしれません。一方で、カジノとの結びつきや法的な課題も指摘されており、今後の運用体制や透明性が問われる場面も出てきそうです。ティニアンがどのようにこのプロジェクトを進めていくか、今後も注目していきたいですね。