ニュージーランド当局は、約2億6,500万ドル(NZドルで約4億5,000万ドル)規模の暗号資産詐欺に関与したとして、首都ウェリントンを含む複数都市で13人を逮捕した。これはFBI主導による国際的な捜査の一環であり、米司法省は逮捕されたウェリントン在住の男を米国の連邦法(組織犯罪処罰法など)で起訴している。

犯行グループは2024年3月から8月にかけて、7人の被害者を騙して大量の暗号資産を取得し、複数のプラットフォームを介して資金洗浄を行っていたとされる。押収された資金は高級車(約9億円分)やデザイナーバッグ、腕時計、ナイトクラブ利用料、セキュリティサービス、米国の高級住宅地での賃貸料などに浪費されていた。

容疑者は現在保釈中で、再出廷は7月3日に予定されている。ニュージーランド警察は「国際的な協力体制が、国境を越えた犯罪の摘発において極めて重要だ」と強調している。

この事件は、近年急増する暗号資産関連犯罪の一例である。2025年4月には、18件のハッキング事件で合計3億6,000万ドル相当の暗号資産が盗まれており、前月比で990%の急増となった。特に、米国在住の高齢者を標的としたソーシャルエンジニアリング攻撃による3億3,000万ドルのビットコイン盗難が大きな割合を占めている。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「New Zealand man arrested in $265M crypto scam tied to FBI probe」

コメント

今回の事件は、暗号資産の普及とともに詐欺やマネーロンダリングといった犯罪が国際化・巧妙化している現実を示しています。特に、ニュージーランドと米国の当局が連携して摘発に至った点は、暗号資産犯罪への国際的な対抗策が進んでいることを意味します。個人としても、資産管理における警戒心やセキュリティ意識がこれまで以上に求められる時代となってきました。安全な投資環境の構築には、技術だけでなく法執行の連携も不可欠です。