ビットコイン(BTC)は、5月19日のアジア市場における急落から回復し、10万ドル台を再び回復した。下落の原因はムーディーズによる米国債格下げではなく、投資家による利益確定売りであると見られている。

ムーディーズは5月16日、米国の信用格付けを「Aaa」から「Aa1」へと引き下げた。36兆ドルに達する債務と財政赤字の拡大がその理由とされ、これを受けて米国の長期国債利回りが上昇。10年債利回りは5.53%、30年債は4.98%を記録し、市場にはインフレや財政不安への警戒感が広がった。

ビットコインは一時106,600ドル付近から4%下落したが、これは重要な供給ゾーンにおける利益確定の動きと重なる。このゾーンでは31,000BTCが保有されており、売却されずに保持されている点からもホルダーの信念が示されている。

短期的には不安定な動きが続く可能性があるものの、過去のダウングレード時のデータや現在の弱気筋の慎重姿勢から、長期的には強気相場が継続する可能性が高い。特にドル指数(DXY)の下落傾向は、ビットコインの「デジタルゴールド」的価値を再評価する動きを後押ししている。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Bitcoin ignores Moody’s US debt downgrade, rallies back to $105K after profit-taking sell-off」

コメント

今回の米国債格下げは市場に一時的な混乱をもたらしましたが、ビットコインは急落後に再び持ち直す動きを見せました。これは、短期的な利益確定売りが主因であり、米国経済への信頼低下が逆にビットコインの価値を再評価させるきっかけとなる可能性があります。今後のマクロ経済の動きに注視しつつも、ドルの下落やリスク資産回避の流れの中で、ビットコインが「価値の保存先」として再び脚光を浴びる展開にも備えておくとよいでしょう。