ビットコイン(BTC)はPoS(プルーフ・オブ・ステーク)型のブロックチェーンとは異なり、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)を採用しているため、イーサリアムなどのような「ネイティブなステーキング機能」は備えていない。しかし、近年ではBTC保有者が利回りを得るための代替手段が多数登場しており、パッシブ収益を得ることも可能となっている。
代表的な方法として、中央集権型のレンディングプラットフォーム(例:Binance Earn、Nexo)、イーサリアム上でのWBTC運用、**レイヤー2プラットフォーム(BabylonやStacks)**の活用が挙げられる。これらはいずれもBTCを直接ステーキングするのではなく、貸し出しやラップドトークン、PoX(プルーフ・オブ・トランスファー)といった仕組みを通じて利回りを生む構造である。
例えば、**WBTC(Wrapped BTC)**はBTCを1:1で担保にしたERC-20トークンで、AaveやCurveといったDeFiプラットフォームに預けることで、利息や手数料を得ることが可能となる。ただし、BitGoというカストディ業者やブリッジの安全性、スマートコントラクトの脆弱性などのリスクが伴う。
一方、Babylonはビットコインをタイムロックスクリプトに預け、PoSネットワークのセキュリティを担保に報酬(BABYトークン)を得られる仕組みであり、2025年4月にメインネットがローンチされている。StacksはSTXトークンをロックすることでBTC報酬を得るモデルで、資産の非カストディ性を維持しつつBTC経済圏に接続できる。
注意すべきは、中央集権リスクやスマートコントラクトリスク、規制や税制リスクが存在する点である。加えて、価格変動によって利回りが相殺される市場リスクも無視できない。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Can you stake Bitcoin (BTC)? Here’s what you need to know」
コメント
ビットコインは本来ステーキングができない設計ですが、近年の技術進化により、多様な形で利回りを得る選択肢が生まれています。Wrapped BTCやBabylon、Stacksなどを活用すれば、BTC保有者でもDeFiの恩恵を受けられるようになります。ただし、これらの方法にはカストディやブリッジ、スマートコントラクトに関するリスクもあるため、利回りだけでなく「安全性と自己責任のバランス」をしっかり見極めることが大切です。今後の技術進化と規制の動向にも注目しましょう。