ビットコイン(BTC)の価格は、米国経済への懸念とマクロ経済の不透明感から下落傾向を強めており、今週中にも10万ドルを割り込む可能性が浮上している。5月19日時点でのBTC価格は1.4%下落し、102,460ドルを記録した。取引量は前日比94%増の666億ドルに急増しており、売り圧力の高まりを示唆している。
下落要因としては、ムーディーズが米国の信用格付けを「Aaa」から「Aa1」に引き下げたことが挙げられる。さらに、トランプ前政権の関税政策によるインフレ懸念も加わり、長期金利が上昇。これが企業や消費者の借入コストを押し上げ、リスク回避ムードを加速させている。
また、ビットコインを大量保有する企業「Strategy」が証券取引委員会(SEC)に提出した書類により、同社が集団訴訟に直面していることが判明。この報道が、同社の財務安定性とBTC集中投資戦略への疑念を市場にもたらした。
加えて、24時間で8,700万ドル超のロングポジションが清算され、強気トレーダーの多くが損切りを余儀なくされた。RSIとの弱気乖離も観測されており、テクニカル的にも上昇トレンドの減速を示唆している。
仮想通貨アナリストAlphaBTC氏は「今週中にも10万ドルを割り込む可能性がある」と警鐘を鳴らしており、9万ドル台への下落も視野に入れるべき局面である。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Why is Bitcoin price down today?」
コメント
現在のビットコイン市場は、米国の格付け引き下げや長期金利の上昇など、マクロ経済の影響を強く受けています。さらに、機関投資家のポジション清算や訴訟リスクの高まりが、投資家心理に冷や水を浴びせている状況です。短期的にはボラティリティが高まりやすいため、慎重なポジション管理と複数のシナリオに備えた戦略が求められます。特に10万ドルの節目を割り込むか否かは、今後の相場を大きく左右する分岐点になるでしょう。