2025年4月、ビットコインは二桁の価格上昇を記録する一方で、ボラティリティがS&P500やナスダック100を下回るという異例の動きを見せた。Galaxy Digitalによると、過去10営業日の実現ボラティリティは43.86で、S&P500の47.29、ナスダック100の51.26を下回った。これは、伝統的に高い価格変動性を特徴としてきたビットコインにとって極めて珍しい状況である。

この変化は、4月2日にトランプ前大統領が発表した関税政策「リベレーション・デー」による市場の動揺の中で起きた。ナスダック総合指数は横ばい、金は一時3,500ドルに達しながらも5.75%の上昇にとどまったのに対し、ビットコインは同期間に11%の上昇を記録した。

Galaxyは、ビットコインの30日相関係数がS&Pと0.62、ナスダックと0.64と依然として高水準にあるものの、ベータ値は低下しており、機関投資家がビットコインをリスク資産ではなく長期保有対象として捉え始めていると分析している。

また、ETF流入の増加や企業によるビットコイン購入が進む中で、同資産は「デジタルゴールド」としての性格を強めている。Galaxyの共同ポートフォリオマネージャーであるイアン・コールマン氏は、「供給と需要のバランスがビットコインを成熟した価値保存資産として確立させつつある」と述べた。

加えて、ブラックロックのETF部門責任者ジェイ・ジェイコブス氏は、各国が米ドルへの依存を減らし、金やビットコインといった非中央集権的資産への分散を進めていると指摘している。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Bitcoin volatility falls below S&P 500 and Nasdaq in rare shift — Galaxy」

コメント

ビットコインは近年、「高リスク資産」という評価から、「価値保存資産」へとその位置づけを変えつつあります。Galaxy Digitalの分析によると、現在はボラティリティも主要株価指数を下回る水準にあり、特に機関投資家からの関心が高まっているようです。ETFや政府レベルでの採用も進む中で、ビットコインが金と同様の「セーフヘブン資産」として認識される日も遠くないかもしれません。資産運用においても、改めて注目すべき存在となっています。