ビットコイン(BTC)は、2024年10月の強気ブレイクアウトを再現するかのような値動きを見せており、5月第2週の始まりとともに10万6,000ドル目前まで上昇した。これは、米中関税合意や米インフレ指標の発表を控えた相場環境のなかで、投資家心理の改善とテクニカル要因が重なった結果である。
特に注目すべきは、週足のMACD指標で「強気クロス」が発生した点であり、これは2024年10月以来の重要な買いシグナルとされている。トレーダーのMoustache氏は、「今得られる中で最も強力なシグナルだ」とXで述べている。
ただし、ビットコインは週足終値で10万4,500ドルの重要なラインを超えるには至らず、一時的に価格発見フェーズ(Price Discovery)入りを逃した形となった。アナリストのRekt Capital氏は、今後は価格が「下値を切り下げつつ、RSIが上昇する強気ダイバージェンス形成の兆候に注目すべき」と分析している。
加えて、CryptoQuantによると、現在ビットコインを保有するアドレスの98%以上が含み益状態にあるとされ、これは過去の強気相場終盤に見られた特徴でもある。長期保有者の一部がリスク軽減のため売却に動く可能性もあり、注意が必要だ。
一方で、興味深いのは、10万4,000ドルに到達しても「貪欲さ(Greed)」がそれほど高まっていないことだ。Crypto Fear & Greed Indexによると、5月12日時点のスコアは70と比較的穏やかであり、急激な熱狂を伴わない価格上昇は、より持続的な上昇トレンドの前兆とも解釈されている。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「BTC bulls get ‘biggest signal’ — 5 Things to know in Bitcoin this week」
コメント
ビットコインは10万ドル超えを果たしつつありますが、過熱感のない価格上昇や週足のテクニカル指標が支援材料となり、さらなる上昇余地も期待されています。ただし、含み益状態の長期保有者による売却リスクや、CPI・PPIといった重要指標の発表を控えており、相場には引き続き注意が必要です。市場全体に極端な「欲望」や過熱感が見られない今こそ、冷静に戦略を立てて臨むことが求められます。