ビットコインは5月22日に11万1,860ドルの過去最高値を記録したが、市場はこれまでのような過熱感に包まれていない。アナリストのアレックス・クルーガー氏は「これは最も熱狂の少ない過去最高値」と評し、主要取引所におけるファンディングレートが過去のピーク時より大幅に低いことを指摘している。
低ファンディングレートは、先物市場での過剰なレバレッジ投資が抑えられていることを意味し、現物市場の堅調な買いが価格上昇を支えている状況である。この冷静な市場の動きは、価格調整リスクの低下を示しており、今後の上昇余地を残す健全な兆候とされている。
さらに、ステーブルコインの供給増加は、新規資本の流入余地を示す先行指標とされており、USDTは1月の1,390億ドルから1,520億ドルへ、USDCは35%増の580億ドルへと拡大している。加えて、2025年第1四半期における世界のM2マネーサプライは5%増加しており、マクロ流動性の追い風が継続している。
オンチェーン分析プラットフォームGlassnodeのデータでは、新高値到達時の利確額が10億ドル程度と、2023年12月に10万ドルを突破した際の21億ドルと比べて大幅に控えめであることが確認されている。これは長期保有者が売却を急いでおらず、価格上昇への期待が根強いことを示唆する。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Bitcoin could go much higher due to lack of FOMO and futures market euphoria — Analysts」
コメント
ビットコインが史上最高値を更新したにもかかわらず、市場に熱狂的な雰囲気は見られません。これは、投機的な資金ではなく、実需とマクロ経済の流動性が上昇を支えている証ともいえるでしょう。利確が控えめであることや、ステーブルコイン供給の増加なども、さらなる価格上昇の余地を示しています。これから参入を検討される方にとっても、冷静かつ長期的な視野で判断する好機となるかもしれません。