ビットコイン(BTC)は2024年5月12日、日中高値で10万5,800ドルに達したものの、その後ニューヨーク市場では3%下落し、10万1,400ドルまで落ち込んだ。短期チャートでは、上昇チャネルの下限を割り込み、弱気のブレイクアウトが確認されている。

データ分析企業Alphractalによると、BTCは現在、過去にも大口保有者(いわゆる「クジラ」)による利益確定が見られた「アルファ価格帯」へ接近しており、10万6,000ドル付近で利益確定が起こる可能性が高まっていると指摘されている。

加えて、レバレッジの観点からも注意が必要である。価格が10万ドルまで下落した場合、34億ドル相当のロングポジションが清算リスクに晒される可能性があり、この水準が一時的に価格の「磁石」として機能する可能性もある。

一方で、今後の価格動向には米国消費者物価指数(CPI)の発表が大きな影響を与えると見られている。前回3月のCPIは予想よりも低い2.4%となり、市場に安心感を与えた。今回(4月分)は5月13日に発表予定で、エネルギー価格と賃金の安定により、再び2.4%程度にとどまると予想されている。

予想を下回るCPIとなれば、2025年の利下げ期待が高まり、株式や暗号資産などリスク資産にとって追い風となる可能性がある。逆に、予想を上回る数値が出れば、インフレ懸念とドル高が強まり、BTCにとっては下押し圧力となる。

今後の重要なサポート水準は10万500〜9万9,700ドルの「公正価値ギャップ(FVG)」、さらに9万8,680〜9万7,363ドルのFVGが注目される。後者は直近高値からの8%下落を意味する。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Bitcoin profit taking at $106K the first stop before new all-time BTC price highs」

コメント

ビットコインは好材料が続く中でも一時的な調整局面を迎えています。特に、10万6,000ドル付近では過去にも利益確定が見られており、投資家心理がやや慎重になっている様子がうかがえます。5月13日に発表される米国CPIの結果次第で、再び上昇基調に戻るか、それとも10万ドルを割り込むのかが分かれ道となるでしょう。今はリスク管理を重視しつつ、経済指標や大口の動向に注目して慎重に判断することが大切です。