ビットコイン(BTC)は2024年5月21日に史上最高値となる109,827ドルを記録した後、110,000ドルを上回る水準で推移している。注目すべきは、この上昇が過度なレバレッジに依存していない点である。米国の現物ビットコインETFへの15日〜20日の純流入額は13.7億ドルに達しており、現物市場からの需要が高騰の主因であると考えられている。

ビットコイン先物市場の年間プレミアムは現在7%であり、過去の強気相場時に見られた30%超の水準とは大きく異なる。これは、過剰なレバレッジによる価格操作が抑制されている健全な市場状況を示している。

また、前回の1月20日の高値更新時には、米Coinbaseでの価格が他の取引所より高くなる「プレミアム現象」が観測されたが、今回はそれが見られず、買い圧力が市場全体に分散していることも好材料である。

加えて、5月18〜21日の間に強制清算されたBTC先物の売りポジションはわずか1.7億ドルと少なく、5月9日の上昇時に発生した5.38億ドルと比較しても、その違いは明らかである。

オプション市場でも、5月21日時点でプット・コール比率に大きな変動はなく、市場のセンチメントは安定している。米連邦準備制度理事会(FRB)の景気刺激策や国債需要の低下も、ビットコインのようなリスク資産に資金が流れる土壌を形成している。

これらの要素から、今回のビットコインの上昇は持続可能性が高く、今後さらに価格が上昇する余地があると見られる。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Bitcoin hits new highs in the absence of ‘unhealthy’ leverage use — Will the rally continue?」

コメント

ビットコインが再び史上最高値を更新した背景には、レバレッジに頼らない「健全な上昇」があります。特に、米国での現物ETFへの大規模な資金流入は、投資家の実需による買い意欲の強さを示しています。今回はデリバティブ市場ではなく、現物市場の動きが主導している点が注目されるところです。長期的な視点で投資判断を行ううえで、こうした市場構造の変化にもぜひ目を向けてみてください。