Robinhood Cryptoの上級副社長ヨハン・カーブラ氏は、トークン化技術が従来アクセスの難しかった資産クラスへの参入障壁を下げ、金融包摂の促進に寄与すると語った。これは2025年の「Consensus」カンファレンスにて述べられたものである。
カーブラ氏によれば、米国で不動産やプライベート・エクイティといった「実世界資産(RWA)」への投資は、人口の約10%しかアクセスできない状態であるという。しかし、トークン化と分割所有(fractionalization)により、例えばニューヨークの不動産の一部を少額で所有することが可能になる。この仕組みは、投資商品の流動性とアクセス性を劇的に改善する可能性を秘めている。
とはいえ、現状ではRWAの保有が富裕層に偏っている。RWA.xyzのデータによれば、2025年5月時点でRWAのオンチェーン市場規模は225億ドルに達するが、保有者数はわずか10万人程度であり、1人あたり平均22万ドル以上を保有している計算となる。
また、カーブラ氏はステーブルコイン市場の将来についても言及。「ドル建て中心から、用途別の専門的なステーブルコインへと多様化が進む」と予測している。今後は送金用途や地域特化型のステーブルコインが増加し、それらを管理・統合するプラットフォームの重要性が高まるとした。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Tokenization makes investing more accessible — Robinhood exec」
コメント
トークン化によって、不動産やプライベート・エクイティのような「富裕層だけの資産」だった投資対象が一般ユーザーにも開かれる時代が近づいています。ロビンフッドの幹部が語るように、少額でも高額資産の一部を所有できることは、大きなパラダイムシフトと言えるでしょう。今後は、専門性の高いステーブルコインの登場や、それらを統合管理するサービスにも注目が集まりそうです。