仮想通貨業界のスタートアップが、過度な企業評価額によりベンチャーキャピタル(VC)からの投資を逃していると、10T HoldingsのCEOであるダン・タペイロ氏が警鐘を鳴らした。

2025年5月14日にトロントで開催されたカンファレンス「Consensus」にて、タペイロ氏は「多くの創業者やCEOが収益の50〜80倍という評価額で資金調達を試みている。これでは我々投資家にとって十分なリターンが見込めず、魅力的な案件でも初期価格が見合わなければ投資しない」と述べた。

10T Holdingsはこれまで200以上の案件を高すぎる評価額を理由に見送っており、その中には破綻したFTXやBlockFi、Celsiusも含まれるという。同社が投資対象とするのは、評価額が4億〜5億ドルを超え、かつ収益倍率が10倍以下の案件に限られる。

一方で、Pantera CapitalのCEOダン・モアヘッド氏は、トークンと株式の両方に分散投資すべきと強調。Panteraはこれまで86%の投資案件で利益を上げ、22社がユニコーン企業に成長している。

こうした背景にもかかわらず、2025年第1四半期の仮想通貨VC市場は好調で、取引総額は前年比で100%以上増加し、60億ドルに達したとPitchBookは報告している。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Crypto startups scaring away VCs with 80x valuations: 10T Holdings」

コメント

仮想通貨業界は依然として成長の余地がある分野ですが、企業評価の妥当性が問われています。投資家から見れば、適正な評価がなければ長期的なリターンを確保するのは難しくなります。スタートアップの経営者にとっては、資金調達の成功を狙うなら、自社のビジネスモデルと収益のバランスを冷静に見直すことが重要です。読者の皆様も、投資先を見極める際には「評価額」と「収益性」に注目してみてください。