2025年第1四半期における暗号資産関連のベンチャーキャピタル(VC)投資は、取引件数が前年同期比で約39.5%減少した一方、投資総額は倍以上に増加し、60億ドルに達した。調査会社PitchBookの最新レポートによると、2024年Q1に670件だった取引数は405件に減少したが、投資額は前年の26億ドル、前四半期の30億ドルから急増している。
特に、暗号資産運用会社、取引所、金融サービス企業への投資が16件で25.5億ドルと突出しており、次いでインフラ・開発関連企業への投資が30件で9.55億ドル、Web3関連企業が23件で2.3億ドルとなっている。
注目すべきは、ステーブルコイン発行企業Circleの上場が近づいている点である。仮に評価額が40〜50億ドルを超えれば、業界全体の企業評価やVCの出口戦略に大きな影響を与えるとされる。また、2025年Q1にはステーブルコインの市場規模が12%増加しており、「ドル建て決済こそが暗号資産のキラーアプリである」とする見方が強まっている。
今後は、決済・送金・資金管理に関するスタートアップへの投資増加や、実証可能な保有証明・鍵管理ツールの需要が加速すると見込まれる。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Crypto VC deals drop in Q1, but funding more than doubles: PitchBook」
コメント
暗号資産業界のベンチャー投資は「数より質」へと変化しています。投資件数は減少したものの、注がれる資金はむしろ増えており、有望なインフラやステーブルコイン関連企業への注目が高まっています。特にCircleの上場が、今後の資金調達環境に大きな影響を与える可能性がある点は要注目です。今後は、ドル建て決済の利便性や透明性の高い保有証明など、現実的なユースケースに注目が集まるでしょう。投資家としても、トレンドの変化をいち早く察知し、的確な分野を見極める視点が求められます。