機関投資家によるビットコイン(BTC)買いが市場構造を大きく変えつつある。特に、米企業「Strategy(旧MicroStrategy)」による大規模なBTC保有が供給を圧迫し、実質的なデフレ状態を招いていると、CryptoQuantのCEOキ・ヨンジュ氏が指摘した。

同氏によれば、Strategyが保有する555,000 BTCは流動性がなく、売却の予定もないことから、年間-2.33%という供給減少率、すなわちデフレを引き起こしている。このような機関の長期保有によって市場の供給はさらに制限され、価格上昇圧力が強まっている。

また、Strategyは社債や株式を通じて伝統的な金融(TradFi)市場から資金を調達し、その資金でビットコインを購入しており、13,000を超える機関投資家が同社株を保有しているという。著書『The Bitcoin Age and The Great Harvest』の著者アダム・リビングストン氏によると、Strategyは1日あたり2,087 BTCを買い集めており、これは現在のマイナーによる供給量(450 BTC)の4倍以上に相当する。

一方、ETF(上場投資信託)への資金流入もビットコイン価格の安定化に寄与しており、下落局面でも急落を防ぐ要因となっている。

ただし、米国における明確な規制枠組みが整うまでは、政府系ファンド(SWF)の本格参入は期待できないとSkyBridge創業者のアンソニー・スカラムチ氏は述べた。今後、規制が整備されれば、SWFによる大量購入がビットコイン価格のさらなる上昇を引き起こす可能性が高い。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Bitcoin now deflationary due to Strategy’s BTC purchases — Analyst」

コメント

ビットコインはこれまでボラティリティの高さが課題とされてきましたが、機関投資家の参入により市場は安定性と成熟度を増しつつあります。特にStrategyのような企業による大量購入は、価格の押し上げ要因であると同時に、供給の減少によってデフレ的な圧力をもたらしています。今後、さらなる規制整備が進めば、政府系ファンドも参入し、ビットコイン市場は新たなフェーズに突入するかもしれません。投資家はこの動向に注目しておくべきでしょう。