欧州警察機構(Europol)およびスペイン当局は、移民密輸や麻薬取引に関与する犯罪組織の資金洗浄を担っていた「マフィア暗号資産銀行」を摘発した。2025年1月の一斉捜査では、スペインを中心に計17人が逮捕され、その多くが中国およびシリア国籍であった。
当局の発表によれば、この組織は「ハワラ」と呼ばれる非公式な送金ネットワークを暗号資産で運営し、中国や中東の犯罪ネットワークと連携していた。押収された資産は総額450万ユーロ(約500万ドル)に達し、その中には暗号資産20万5000ドル、現金47万1000ドル、18台の車両、銃器、電子機器、高級バッグや時計、葉巻などが含まれている。
同組織はソーシャルメディアで送金業務を宣伝し、合法的な事業を装っていたが、スペイン・アルメリアの裁判所が主導し、欧州全域にまたがる捜査協力によってその実態が明らかになった。
この摘発は、2024年に違法な暗号資産取引が前年比11.3%増の513億ドルに達したというChainalysisの報告とも連動し、今後も暗号資産犯罪への国際的な監視強化が求められる。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Europol helps dismantle $23M ‘mafia crypto bank’」
コメント
暗号資産は便利な一方で、違法な資金洗浄にも悪用されるリスクがあります。今回の摘発は、国際的な連携によって大規模な犯罪ネットワークの裏側が明らかになった重要な事例です。私たちも普段から、信頼できるサービスを利用することや、SNS上で怪しい送金業務に関わらないなど、注意が必要です。技術の進化にともない、個人のリテラシーもますます問われる時代になってきました。