米国上院で審議が進む「GENIUS法案(Guiding and Establishing National Innovation for US Stablecoins Act)」は、ステーブルコインの制度的地位を確立し、世界的な機関投資家の導入を促す起点となる可能性がある。同法案は2024年5月20日、上院で66対32の投票により手続き的承認を得ており、今後の本格審議が予定されている。

GENIUS法案は、ステーブルコインの担保要件やマネーロンダリング対策の遵守義務を明文化するものであり、「規制」だけでなく「正当化」の役割を果たすとDWF Labsのマネージングパートナーであるアンドレイ・グラチェフ氏は述べた。同氏は「機関投資家が求めていたのは明確なルールであり、それが信頼につながる」と強調する。

また、この法案は国境を越えたプログラム可能なデジタル金融システムへの第一歩とも位置づけられており、米国の動きが世界の規制整備にも波及すると期待されている。ただし、Tetherのようなオフショア発行者への対応が不十分であるとの指摘もあり、市場の統合と規制対応能力が今後の鍵となる。

なお、利回り付きステーブルコインの市場規模は現在110億ドルに達し、全体の4.5%を占めるまでに成長している。法案の成立と並行して、安定した利回りを提供する製品の開発も加速している。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「GENIUS Act ‘legitimizes’ stablecoins for global institutional adoption」

コメント

米国で進むステーブルコイン規制の明確化は、仮想通貨市場の信頼性向上に大きく寄与しそうです。特に機関投資家の参入が進めば、市場の成熟と価格の安定にもつながるでしょう。一方で、Tetherのような海外拠点の発行者に対する規制が今後の課題として残っています。デジタル通貨が主流となる時代に備え、私たちも今後の法整備や市場動向を注視しておくことが重要です。