米中両政府が発表した90日間の関税緩和合意は、株式市場および暗号資産市場の広範な回復への道筋をつけるものとして注目されている。ホワイトハウスは5月12日、両国が現行水準から24%引き下げた関税10%への削減を5月14日から実施することを明らかにした。
スイス・ジュネーブで行われた記者会見で、米財務長官スコット・ベセント氏は「双方とも経済的デカップリング(分離)を望んでいない」と述べ、過去の高関税は実質的な禁輸措置に等しかったと指摘。「我々は貿易を望み、よりバランスの取れた関係を求めている」と強調した。
このような建設的な交渉姿勢と関税の一時停止は、突発的な緊張再燃リスクを低減させ、ビットコイン(BTC)やアルトコイン、米国株式市場の上昇を後押しする可能性があると、暗号資産分析プラットフォームNansenの主任アナリスト、オレリー・バルセール氏は分析する。
バルセール氏は、最近の市場でビットコインが他のリスク資産よりも堅調に推移している理由として、関税リスクの影響を受けにくい構造を挙げたうえで、「今後はアルトコインやドル指数(DXY)、米株式市場が追随する形で上昇する可能性がある」と述べている。
さらに、所得税や法人税を含む大規模な減税政策が7月中旬に発表される可能性も示唆されており、それが実現すれば「1月の高値水準を超えるリスク資産の本格的なラリーが期待される」と付け加えた。
ビットコイン価格は現在、2025年1月の過去最高値109,800ドルに対して約4.8%の水準まで回復しており、週足チャート上のブルフラッグパターンが示すターゲットである15万ドルの到達にも期待が高まっている。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Bitcoin, altcoins poised to rally on US-China tariff agreement」
コメント
米中の関税緩和と前向きな外交姿勢が、市場に安心感を与えています。これにより、株式やアルトコインなどのリスク資産にも資金が戻る流れが期待されます。特に、7月に予定される減税パッケージが実現すれば、ビットコインが再び最高値を更新する可能性も高まります。短期的なテクニカル要因と政策的な追い風が重なっている今、市場の動きには一層の注視が必要です。