米国上院議員のシンシア・ルミス氏とバーニー・モレノ氏は、デジタル資産に関連する企業税制の見直しを求める書簡を5月12日付でスコット・ベッセント財務長官に送付した。両議員は、現行法の下で「調整後財務諸表所得(AFSI)」の定義を変更する権限が財務省にあると主張し、インフレ抑制法の一部を修正することで、米国企業が支払う税額を軽減できると提案している。

2023年に施行されたインフレ抑制法は、3年連続で利益10億ドル以上を計上する企業に対して15%の最低法人税を課す内容を含む。しかし、この規定は暗号資産における含み益や含み損にも適用される可能性があり、企業の税負担が実態以上に膨らむと指摘されている。

ルミス議員は5月13日のX投稿で「米国企業が外国企業よりも多くの税金を負担すれば、デジタル金融における競争力が失われる」と述べ、迅速な対応を呼びかけた。なお、モレノ議員は2024年の上院選で、暗号資産関連の政治資金団体から約4,000万ドルの支援を受けて当選している。

また、上院では現在、米国におけるステーブルコイン規制法案「GENIUS法」の再審議が予定されており、ルミス氏は共同提案者として引き続きデジタル資産規制の整備に取り組む姿勢を示している。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「US lawmakers call for change in corporate digital asset taxes」

コメント

米国では暗号資産に関する法人税制を巡る議論が活発化しています。今回の書簡では、企業の暗号資産保有にかかる課税ルールの見直しを通じて、過剰な税負担を軽減し、米国企業の競争力を守ろうという狙いが示されています。今後の財務省の対応や、上院で審議中のステーブルコイン法案の動向は、暗号資産業界にとって極めて重要な分岐点となる可能性があります。デジタル資産に関わる企業や投資家の方は、引き続き政策動向に注目する必要があります。