かつて暗号資産関連ビジネスを敬遠していた銀行業界が、現在はステーブルコインに注目し始めている。JPモルガンやサンタンデール銀行など大手金融機関は、すでに内部決済や銀行間取引にステーブルコインを試験導入しており、Custodia Bankはイーサリアム上に独自のステーブルコイン「Avit」を発行した。

ステーブルコインの最大の強みは、プログラム可能な決済手段として、従来の複雑な支払処理や送金を効率化できる点にある。給与支払、国際送金、資金照合といった煩雑な業務も、スマートコントラクトによって自動化が可能である。さらに、ステーブルコインは誤送金や未承認請求のリスクを回避し、高速決済を実現する。

2024年から2025年にかけて、アクティブなステーブルコインウォレットは2,000万件以上増加し、米国では法整備が進められている。Wyoming州ではすでに法制化が完了し、トランプ政権も関連法案を推進している。

ステーブルコインはもはや金融業界の周縁技術ではなく、競争力を左右する鍵として急速に存在感を高めている。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「From debanking to a banking arms race—The rise of stablecoins」

コメント

ステーブルコインは、単なる暗号資産ではなく、既存の銀行インフラを刷新する可能性を秘めた革新的な技術です。特に給与支払いや国際送金など、時間とコストのかかる業務において効率化が期待されており、今後の法整備や導入事例がその成長を後押しするでしょう。銀行が本格的に活用を始めることで、私たちの身近な金融体験も大きく変わっていくかもしれません。