米証券取引委員会(SEC)の公式X(旧Twitter)アカウントを乗っ取り、ビットコイン現物ETFの承認を偽って投稿したとして起訴されたエリック・カウンシル・ジュニア被告に対し、米コロンビア特別区連邦地裁は2024年5月16日、懲役14ヶ月の実刑判決を言い渡した。

カウンシル被告は、SIMスワップ攻撃によってSECのアカウントに不正アクセスしたグループの一員であり、身元窃盗およびアクセス機器詐欺に関する共謀罪で有罪を認めていた。司法省によれば、同氏は過去にも同様の手口で約5万ドルを得ており、これらの資金は押収の対象となる見通しである。

検察側は2年の懲役を求刑し、弁護側は1年1日と主張していたが、判決はその中間となった。また、刑期終了後には3年間の保護観察期間が課される。なお、カウンシル被告は2024年10月に逮捕されて以降、保釈中であり、収監日は未定である。

今回の事件について、連邦検察官代理のジニーン・ピロ氏は「こうしたスキームは市場システムの健全性と信頼を脅かすものであり、一般市民や金融機関、政府機関に深刻なリスクを与える」と警告している。

この判決は、FTXやCelsius、SafeMoonなど、仮想通貨業界で注目された他の刑事事件に続くものであり、今後も業界全体に対する規律強化の動きが続くと予想される。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「SEC hacker sentenced to 14 months in prison」

コメント

SNSアカウントを悪用したハッキング事件が仮想通貨市場に波紋を広げています。今回のようなSIMスワップによる不正アクセスは、個人だけでなく政府機関をも標的とする非常に深刻な犯罪です。私たち個人も2段階認証の導入やパスワード管理の徹底など、自衛意識を高めることが求められます。仮想通貨業界全体の信頼性向上にもつながる今回の判決は、大きな意味を持っていると言えるでしょう。