暗号資産市場において、ブロックチェーンとDApps(分散型アプリケーション)の価値に関する議論が続いている。多くの専門家がアプリケーションの収益性やユーザー数に注目する一方で、ブロックチェーンこそが長期的価値の基盤であるとの見解が強まっている。
従来の「Fat Protocols」理論では、ブロックチェーンのプロトコル層がアプリ層より多くの価値を蓄積するとされていたが、2024〜2025年の収益データはこれを揺るがしている。DAppsは2025年第1四半期に18億ドルの収益を上げ、ブロックチェーンの14億ドルを上回った。しかし、これはブロックチェーンなしでは成り立たない現象であり、基盤としての重要性に変わりはない。
ブロックチェーンは、DAppに不可欠な信頼性と不変性を提供するインフラである。また、モジュラー型アプリチェーンの台頭により、アプリが高性能を維持するためには専用チェーンの存在が不可欠であることが示されている。したがって、ブロックチェーンは単なる取引台帳ではなく、分散型エコシステムの「時間軸」として不可欠な役割を果たしている。
結論として、アプリの収益性が高まったとしても、ブロックチェーンの存在こそがその成長を支えており、市場における本質的価値は常に基盤層にあるといえる。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「The crypto market values chains more than standalone applications」
コメント
暗号資産業界では、DAppsの収益や普及度が注目されがちですが、その基盤であるブロックチェーンの価値は見落とせません。ブロックチェーンは、アプリケーションが信頼性を持って機能するための土台であり、収益だけでは測れない「存在意義」を持っています。市場がアプリに熱狂する中でも、ブロックチェーンの本質的な役割を正しく理解することが、今後の健全な投資判断につながるでしょう。