スイスの金融大手UBSは、アジアの富裕層投資家が米ドル建て資産から金、暗号資産、中国市場へと資金をシフトしていると報告した。UBSアジア部門の共同責任者エイミー・ロー氏は、5月13日に香港で開催されたBloombergイベントにて、地政学的リスクと市場のボラティリティの高まりがこの動きを後押ししていると述べた。
従来、米国資産への集中投資が主流だったが、現在は金や暗号通貨などの代替資産、さらには人民元や中国株など新興市場への関心が高まっている。特に中国市場への再評価が顕著で、富裕層からの問い合わせが急増しているという。
また、米中の関税引き下げ合意も投資家心理を支えている。5月11日に両国は相互関税の一時的引き下げを発表し、中国株を中心とする香港市場の上昇にも拍車をかけた。
さらに、ビットコインは「デジタル版の価値保存手段」としての地位を確立しつつあり、Galaxy DigitalやBlackRockのアナリストも、政府やETFの需要増を指摘している。各国がドルから資産を分散する中、金とビットコインが新たな準備資産として注目されている。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Asia’s wealthy shifting from US dollar to crypto, gold, China: UBS」
コメント
世界の資産運用において、米ドルへの過度な依存から脱却する動きが加速しています。特にアジアでは、金や暗号資産、中国株への関心が高まり、安全性と成長性を両立させる新たな選択肢として注目されています。今後、経済の不確実性が続く中で、どの資産に分散するかが重要な判断軸となるでしょう。読者の皆様も、ご自身の資産配分を見直す際の参考にしてみてください。