従来の金融システムにおいて、株式投資は限られた富裕層と先進国の特権層のみに開かれた資産形成手段であった。特に未上場株式へのアクセスは、最低投資額や厳格な審査により、一般投資家には手の届かない存在となっている。しかし、分散型金融(DeFi)の進化はこの構造に変革をもたらす可能性を秘めている。

株式市場における3つの主要要素——価格、執行、決済——は、現在もなお古いインフラに依存している。価格情報は有料のターミナルやクローズドな環境に限定され、正確なリアルタイム情報は一部の投資家のみが得られる。執行においても、スマートフォンアプリでの売買が手軽に見える一方で、実際は多くの制限が存在し、新興国や地方の投資家にとっては高い壁となっている。さらに、決済には数日かかる場合があり、資金拘束やリスクの増加が障壁となっている。

これらの課題に対し、DeFiはリアルタイムの価格配信、トークン化された株式の分散型取引、そして瞬時の決済処理を可能にする。これにより、インターネット接続さえあれば誰もが世界中の成長企業に小口投資できる環境が整う。ブロックチェーンの力により、中間業者を排し、より公平かつ効率的な金融参加の機会が広がっている。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「The facet of TradFi most ripe for disruption is equities」

コメント

DeFiの登場は、これまで一部の層に限られていた株式投資の機会を世界中の人々に開放する可能性を持っています。特に、価格の透明性、取引の分散化、瞬時の決済といった要素が実現すれば、これまで投資をあきらめていた方々にとっても大きな転機となるでしょう。今後は、金融の民主化という視点で、DeFiの技術や活用例に注目することが、資産形成の新たなヒントになるかもしれません。