暗号資産と株式取引を手がけるプラットフォームeToroが、米NASDAQ市場での上場初日となる5月14日に株価を大きく伸ばし、公開価格から28.9%上昇して67ドルで取引を終えた。これにより、同社の時価総額は55億ドルを突破した。

eToroは当初、1株あたり46〜50ドルの範囲でIPOを予定していたが、最終的に52ドルに設定し、調達額を5億ドルから6億2,000万ドルへと引き上げた。公開に際し、同社と一部既存株主は計1,192万株を売却した。

なお、ブラックロックが運用する一部ファンドも、1億ドル分の株式取得に関心を示していたことが、米証券取引委員会への提出書類から判明している。

ライバル企業であるロビンフッド(HOOD)はこの日、株価が1.9%下落し、さらに時間外取引で1.63%下げた。

eToroの規制当局向け報告によると、2024年の暗号資産関連収益は121億ドルと、前年の34億ドルから大幅に増加した。2025年第1四半期には、取引手数料のうち約37%が暗号資産からの収益となる見込みである。

今回の上場は、米国でのIPO市場がトランプ前大統領の関税政策で冷え込んだ後の回復を象徴する動きでもある。eToroは2021年にもSPACとの合併による上場を目指していたが、市場の急落で断念していた経緯がある。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「eToro jumps 30% on Nasdaq debut after upsized IPO」

コメント

eToroの上場成功は、暗号資産と伝統的金融の融合が本格化していることを示しています。特にIPOを控えていた多くの企業にとって、今回の事例は大きな希望となるでしょう。一方で、eToroの成功の背景には、急成長する暗号市場と収益構造の変化があり、投資家にとっても注目すべき指標となっています。今後は、KrakenやCircleなど他の暗号企業の上場にも注目が集まりそうです。投資を考える皆様にとって、金融とテクノロジーの融合が進む今こそ、チャンスの時かもしれません。