米国上院は、トランプ前大統領とその家族に関わる暗号資産事業を対象とした条項を削除し、超党派のステーブルコイン法案「GENIUS法案」の5月26日までの可決を目指している。これは米国の戦没将兵追悼記念日にあたる。
共和党のシンシア・ルミス上院議員と民主党のカーステン・ジリブランド上院議員は、Coinbaseのロビー団体「Stand With Crypto」のイベントにて、法案の見直しにより消費者保護や破産処理、倫理要件などの内容が強化されたと説明した。
当初、民主党は法案に反対し、トランプ氏の暗号資産関連プロジェクト(ミームコインやマイニング企業など)を個人的に利する可能性を問題視していた。ジリブランド氏は「現行法の下でも、彼の多くの行為はすでに違法だ」と明言したうえで、本法案はあくまでステーブルコイン業界全体の規制が目的であると強調した。
CoinbaseのCEOブライアン・アームストロング氏も登壇し、来週にも上院で採決が行われる可能性があると期待を寄せた。一方、仮想通貨業界全体は、GENIUS法案と市場構造に関する法案の両方を中間選挙(2026年11月3日)前に成立させることを目指している。ロビー団体Blockchain Associationは「今こそ法整備の絶好の機会であり、次にいつチャンスが来るかは分からない」と警鐘を鳴らす。
8月の議会休会前の成立が鍵となっており、トランプ氏も法案への署名に前向きな姿勢を見せている。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Senate removes Trump provisions in push to pass stablecoin bill」
コメント
仮想通貨の法整備は、業界の健全な発展に不可欠です。米上院が審議中のステーブルコイン法案は、トランプ氏に関連する条項を削除することで、法案成立に向けた政治的障壁を取り除いた形となっています。今後の選挙や政権交代の可能性を見据えたタイムリミットの中で、法案成立を急ぐ動きは、仮想通貨に対する規制の枠組みを明確にする重要な一歩です。投資家・利用者としても、この動向に注目すべきタイミングだと言えるでしょう。