米ナスダック上場企業のBTCSは、イーサリアム(ETH)関連事業の拡大を目的として、約5,780万ドル(約88億円)の資金調達契約を締結したと発表した。資金調達は投資会社ATWパートナーズ主導で行われ、バリデータノード運用やステーキング収益の拡充に充てられる予定である。
同社のチャールズ・アレンCEOは、「長期的な成長を見据え、イーサリアムの保有比率を戦略的に増やし、継続的な収益源として活用する」と述べた。これはマイクロストラテジーのビットコイン集中戦略を彷彿とさせる動きである。
今回の契約には、初回として780万ドル分の転換社債が発行され、今後さらに5,000万ドルまでの追加調達が可能となっている。転換価格は1株5.85ドルに設定されており、発表時点の株価(1.99ドル)を大きく上回る。投資家はBTCS株価の上昇に期待し、同社はこれを資金源としてETH関連インフラを拡大する狙いである。
BTCSはすでにレンディングプロトコル「Aave」を通じてETHを取得していたことも判明しており、今回の発表は、Pectraアップグレード後に42%の価格上昇を見せたETHへの期待を反映したものである。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Nasdaq-listed BTCS to boost ETH holdings with $57.8M raise」
コメント
BTCSのように、企業が暗号資産を積極的に運用資産として活用する動きが加速しています。今回の資金調達によって、イーサリアムのバリデータ運用やステーキング収益を強化し、安定した収益構造を目指す姿勢が明確に示されました。仮想通貨市場が成熟しつつある中、上場企業のこうした戦略は、今後の業界全体の動きにも大きな影響を与える可能性があります。