2025年5月、アメリカ司法省は、総額2億6300万ドル(約410億円)相当の暗号資産を盗んだ大規模犯罪組織に新たに12人を起訴したと発表した。この組織は、2023年10月から活動を開始し、メンバーの多くがカリフォルニア在住の18〜22歳の若者で構成されていた。彼らはオンラインゲームを通じてつながり、「サイバー型組織的犯罪」に発展していったとされる。
最大の被害は、2024年8月18日に発生した4,100BTC(約230億円)の不正取得事件である。主犯格のマローン・ラムは、被害者のiCloudに侵入して動向を監視し、共犯者が自宅に侵入してハードウェアウォレットを盗んだ。
組織は、VPNやミキサー、ペールチェーンなどを使い、資金の追跡を困難にしていた。盗んだ資金は、高級車28台、ナイトクラブでの豪遊、ブランド品の購入、不正な身分証での住宅・プライベートジェットのレンタルなどに浪費された。
司法省は、RICO法(組織犯罪取締法)違反のほか、詐欺やマネーロンダリングなどの容疑でも起訴している。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「12 more charged in $263M crypto theft ring that blew it on booze and cars」
コメント
若者によるサイバー犯罪の急増が社会問題となっています。今回の事件では、オンラインゲームで知り合った仲間が短期間で大規模な暗号資産犯罪集団へと変貌し、高額の仮想通貨を盗み出すというショッキングな展開が明らかになりました。個人でも、二段階認証やハードウェアウォレットの厳重管理など、日頃からセキュリティ対策を徹底することが大切です。今後もこのような事案に対する警戒が必要です。