シンガポール拠点の医療企業Basel Medical Groupは、企業財務戦略の一環として10億ドル相当のビットコイン(BTC)を購入する計画を発表した。この動きにより、同社株は5月16日に約15%下落した。

Baselは、機関投資家および富裕層との間で株式交換による革新的なBTC取得スキームについて最終協議中であるとし、このビットコイン購入によって「アジア市場における最も強固な財務基盤のひとつ」を築くことを目指しているという。さらに、買収活動への柔軟な資金調達、ならびに市場の変動に強い分散型資産構成の構築を目的としている。

ただし、投資家の反応は慎重であり、同社の株式(BMGL)は発表直後に下落した。これは以前、ゲーム小売大手GameStopが同様のビットコイントレジャリー戦略を発表し、30億ドル超の時価総額を一日で失った事例とも共通する現象である。

なお、Baselは4月に医療業界の同業であるBethesda Medicalを買収し、東南アジアでの事業拡大を進めている。同社のCEOであるDarren Chhoa氏は、BTCによってバランスシートが拡充され、今後の戦略的買収にも迅速に対応可能になると述べている。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Basel Medical shares down 15% on $1B Bitcoin buying plans」

コメント

Basel Medicalのように、非暗号資産企業がビットコインを財務戦略に取り入れる動きが拡大しています。今回は医療分野での事例ですが、成長資金の柔軟性やインフレ対策としてのBTC活用は注目に値します。一方で市場の反応は慎重であり、株価は短期的に下落しました。長期的視点で企業価値がどう評価されていくのか、今後の動向が注目されます。