アメリカの元アーティスト、エド・スマン氏(67歳)は、コインベースを装った詐欺によって、総額約2億円以上の暗号資産を失う被害に遭った。スマン氏は過去に芸術作品の制作に携わり、著名な彫刻家ジェフ・クーンズ氏の「バルーン・ドッグ」の制作にも関与していた。
引退後、スマン氏は仮想通貨投資を始め、Trezorのハードウェアウォレットに17.5BTCと225ETHを保管していた。ところが2024年3月、コインベースからの不正アクセス警告を装うSMSが届き、続いて「ブレット・ミラー」と名乗る人物から電話を受けた。この人物は、スマン氏の資産状況を正確に把握しており、信頼を得た上で「セキュリティ対策」と称して偽のコインベースサイトにリカバリーフレーズを入力させた。
さらに9日後、別の詐欺師も同様の手口を用い、最終的にスマン氏の全資産は奪われた。この事件は、同時期に発覚したコインベースの情報漏洩事件と関連がある可能性がある。同社はインドに拠点を持つ外部委託のカスタマーサポート担当者が買収され、ユーザー情報が漏洩したと発表。影響を受けたのは月間ユーザーの約1%で、被害補填額は最大4億ドルに達すると見られている。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Retired artist loses $2M in crypto to Coinbase impersonator」
コメント
仮想通貨の保有者が増える中、詐欺被害も巧妙化しています。今回の事件は、正規サービスを装った連絡と巧みな話術で、ハードウェアウォレットに保存された資産までも狙われる危険性を示しています。リカバリーフレーズは絶対に第三者に伝えないことが重要です。安全のためにも、詐欺の手口を知り、冷静な対応を心がけましょう。