米大手暗号資産取引所コインベースが、顧客データ流出事件に関して少なくとも6件の訴訟を起こされている。背景には、同社が2025年5月15日に発表した、サポート担当者が賄賂を受け取り社内システムに不正アクセスし、顧客情報を漏洩したという重大なセキュリティインシデントがある。
流出した情報には、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、社会保障番号の下4桁、銀行口座識別情報、運転免許証やパスポートなどが含まれ、資産残高や取引履歴までもが盗まれたとされる。訴状では、コインベースが合理的なセキュリティ対策を講じず、事件後の対応も不十分であったと主張されている。
訴訟の一つでは、同社が迅速な通知や被害緩和措置を怠り、被害者への具体的な支援も行わなかった点が問題視されている。さらに、情報流出による身元盗用や金融詐欺のリスクは即時的かつ永続的であるとの指摘もある。
同社は2,000万ドルの脅迫金を拒否し、被害者への補償として最大4億ドルを見込んでいる。インド拠点の一部カスタマーサポート担当者は関与を理由に解雇されたという。株価は一時7%下落したが、その後回復を見せた。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Coinbase hit with wave of lawsuits over customer data breaches」
コメント
コインベースのような大手企業でも、内部不正による情報流出リスクは避けられないことが今回の事件から明らかになりました。暗号資産を扱う私たち利用者にとって、個人情報や資産を守るためには、取引所のセキュリティ体制を見極める力がより一層求められます。今後、コインベースがどのように信頼を回復していくかも注目です。