暗号資産取引所Bybitにおいて、Apple IDを用いたKYC(本人確認)機能に不具合が発生し、1人のユーザーが約10万ドル相当の資産に一時アクセスできない事態となった。Bybitはこの問題に迅速に対応し、COOを含む複数部門を動員して解決に至ったと報告している。

この問題は、中国語圏の暗号インフルエンサーEnHeng氏がX上で指摘し、Bybitチームが即座に対応を開始。顧客対応部門、リスク管理、プロダクト、技術部門が連携し、当該ユーザーの資産は無事回復された。内部調査の結果、この不具合はシステム全体の問題ではなく、個別ケースであると結論付けられた。

このようなKYCトラブルは近年の取引所において珍しくないが、EnHeng氏は「影響力を持つ者が声を上げるべき」と述べ、個人投資家を守るための行動の重要性を強調した。

他の取引所でも過去に類似のアクセス制限事例が報告されており、暗号資産の世界では「Not your keys, not your coins(秘密鍵がなければ資産ではない)」という原則が再び注目を集めている。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Apple KYC glitch on Bybit draws swift executive response to recover $100K」

コメント

今回の事例は、取引所のKYCシステムに依存するリスクと、それに対する迅速な対応の重要性を浮き彫りにしました。個人投資家にとって、トラブル時に声を届ける手段を持つことが資産保護に直結する場合もあります。自身の資産管理を見直す良い機会として、分散管理やセルフカストディの検討もおすすめです。