カルダノ(Cardano)の創設者チャールズ・ホスキンソン氏は、約6億ドル(約950億円)相当のADAトークンを不正流用したとする主張に対し、強く否定した。これを受け、カルダノ財団は財務監査報告書を近日中に公開する予定であると明らかにした。
問題の発端は、NFTアーティストであるMasato Alexander氏が、2021年の「Allegraハードフォーク」時にホスキンソン氏が「ジェネシスキー」を使って台帳を改ざんし、6億1900万ドル分のADAを操作したとする告発である。該当するMIR(Move Instantaneous Rewards)トランザクションは、3億1800万ADA以上の移動を示しており、これがステーキング報酬や財務リザーブに流れたとされる。
これに対してホスキンソン氏は、当該ADAの大半は元の購入者によって7年かけて正当に引き出されたものであり、IOG(Input Output Global)が自らに付与したという主張は虚偽であると反論。未請求分は非営利団体Intersectに寄付されたとも明かした。
さらに、ホスキンソン氏はX上で「監査報告書が出た後、Xアカウントの運用をメディアチームに委任し、AMAやスペースの形式も変更する予定」と投稿し、コミュニティとの信頼関係に傷がついたことへの深い落胆を表明している。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Hoskinson promises audit, is ‘deeply hurt’ by $600M Cardano treasury claims」
コメント
カルダノ財団を巡る今回の疑惑は、暗号資産プロジェクトにおける透明性と説明責任の重要性を再認識させられる事例です。ホスキンソン氏は明確に否定し、今後の監査報告書により事実関係が明らかになる見込みです。ブロックチェーンの理念である「信頼できるシステム」は、運営側の誠実な対応によって初めて実現されるものです。報告書の公開を注視しつつ、冷静な判断を心がけましょう。