仮想通貨XRPの開発元であるRipple社は、アラブ首長国連邦(UAE)において国際送金向けのブロックチェーン決済システム「Ripple Payments」の運用を開始した。このシステムはステーブルコイン、仮想通貨、法定通貨を統合したプラットフォームであり、高速な決済処理と低コストを特徴とする。
主要パートナーには、UAE初の完全デジタル銀行であるZand Bankと、企業向けデジタル決済を手がけるフィンテック企業Mamoが名を連ねる。両社はRipple Paymentsを用いて国際間ブロックチェーン決済を実施し、従来の金融インフラの課題である高額な手数料や長時間の決済処理、透明性の欠如といった問題の解決を目指す。
Rippleは2024年3月にドバイ金融サービス機構(DFSA)より暗号資産決済のライセンスを取得しており、中東・アフリカ地域におけるクロスボーダー決済ニーズに応える体制を整えている。
また、UAEは暗号資産導入の積極国として知られ、Chainalysisの2024年レポートでは151か国中56位にランクイン。分散型金融(DeFi)やステーブルコインの利用が特に評価された。アブダビではテザー(USDT)が公式に承認され、2025年にはCircle社のUSDCおよびEURCが仮想通貨トークン制度に基づき認可された。
さらに、UAEは中央銀行デジタル通貨(CBDC)「デジタル・ディルハム」の開発も進めており、2025年5月にはドバイの暗号資産規制当局(VARA)がマージントレードとトークン配布に関する新たな規制を発表した。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Ripple launches cross-border blockchain payments in UAE」
コメント
RippleがUAEで開始したクロスボーダー決済サービスは、仮想通貨の実用化における大きな一歩です。従来の国際送金の課題をブロックチェーン技術で解決するこの動きは、金融の未来を切り拓く可能性を秘めています。特にUAEのようにデジタル資産の受け入れが進んでいる国では、今後も暗号資産を活用した新たなサービスが拡大していくでしょう。投資家や事業者にとっては、新たな機会と成長のヒントが詰まった注目の展開です。