インド最高裁判所は2025年5月、政府がビットコインをはじめとする仮想通貨に対して30%の課税を行っているにもかかわらず、依然として明確な規制を導入していない現状を問題視し、対応を求めた。

審理の中でスーリヤ・カント判事は「仮想通貨は国家経済に対する潜在的脅威であり、政府は課税する以上、法的な枠組みで管理すべきである」と警告した。仮想通貨の利用拡大と並行して、インドでは資金洗浄や違法取引への懸念も高まっており、裁判所は「一部は合法的な利用でも、一部は不正行為の温床になり得る」との見解を示した。

政府側はこの指摘に対し「指示を仰ぐ」と返答し、規制整備の検討に入る可能性を示唆した。なお、現在インドでは仮想通貨の保有や取引に対しては税務報告義務があるものの、包括的な法整備は行われていない。

この議論は、仮想通貨を合法的な資産として取り扱うか、もしくは経済の安定性を優先して制限すべきかという、世界中で繰り返されているテーマを象徴している。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「India’s Supreme Court urges government to regulate cryptocurrency」

コメント

インド最高裁の発言は、仮想通貨に対する世界的な規制の必要性を改めて浮き彫りにしています。課税を行う一方で法的保護や規制が整っていない状況は、投資家・ユーザー双方にとって不安定な環境をもたらします。今後インド政府がどのような対応を取るのかは、他国にとっても参考となる動きです。規制の進展によって、仮想通貨の信頼性と透明性がさらに問われる局面となりそうです。