ステーブルコイン「USDC」の発行元Circleの共同創業者であるショーン・ネヴィル氏は、新たにAIネイティブ金融機関の設立を目指すプロジェクトを発表した。2025年5月20日、同氏が率いるCatena Labsは、Andreessen Horowitz(a16z)Crypto主導の資金調達ラウンドにより1,800万ドルの資金を確保したと発表した。
この新たな金融機関は、AIエージェントと人間の協働によって運営され、AI特化のコンプライアンスおよびリスク管理フレームワークを採用する。Catena Labsは、既存の金融インフラがAIの導入に消極的かつ非効率であると批判し、AIエージェントの経済的活動を支えるための「AIネイティブ」な仕組みの必要性を訴えている。
具体的には、オープンソースの「Agent Commerce Kit(ACK)」を活用し、検証可能なエージェントIDの実装を目指している。また、AIネイティブな通貨としてステーブルコイン(特にUSDC)の活用も推進しており、グローバルかつ低コストで即時決済可能な仕組みを構築するという。
ネヴィル氏は「AIエージェントは今後、経済活動の大部分を担う存在になる」と述べており、同プロジェクトはAI時代における新たな金融インフラの構築に向けた先駆的な試みとして注目を集めている。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Circle co-founder to create ‘AI-native’ bank after $18M raise」
コメント
AIと金融の融合が、いよいよ実用段階に入ろうとしています。Catena Labsのプロジェクトは、AIエージェントが自律的に経済活動を行う未来を見据えたもので、ステーブルコインやAIに最適化されたインフラを軸に新たな銀行モデルを提示しています。今後の規制整備や実装例によって、実現可能性が大きく左右されるものの、このような取り組みは金融とテクノロジーの進化における重要な一歩になるでしょう。