分散型取引所(DEX)で知られるBancorは、同業のUniswapに対して特許侵害で訴訟を起こした。訴状によれば、Bancorは2016年に自社開発した「定数積自動マーケットメイカー(AMM)」技術を2017年に特許化しており、Uniswapが2018年に公開したプロトコルにこの技術が無断で使用されていると主張している。
この技術は、流動性プールに対して数式を用いて資産の追加や引き出しを行う仕組みで、DeFi(分散型金融)の基盤技術の一つとされている。BancorはUniswapがこの発明を不正に活用し、大きな利益を上げてきたとし、米ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所にて損害賠償を求めている。
Bancorプロジェクトリーダーのマーク・リチャードソン氏は、「許可なく我々の技術を使い続け、競合関係にある以上、法的措置は避けられない」とコメントしている。なお、記事執筆時点でUniswapからの公式コメントは出ていない。
DefiLlamaのデータによれば、Uniswapは1日あたり約38億ドルの取引量を誇る一方、Bancorは約38万ドルにとどまり、DEX市場における影響力の差は顕著である。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Bancor files patent infringement lawsuit against Uniswap over DEX tech」
コメント
今回のBancorによる提訴は、分散型取引所の根幹技術に関わる知的財産の保護が焦点となっています。Uniswapとの間で特許の正当性や使用許諾が問われる中、業界全体への影響も避けられません。革新と競争のバランスが求められる今後のDeFi業界において、注目すべき訴訟となりそうです。続報にも注視しておきましょう。