米証券取引委員会(SEC)は2024年5月20日、暗号資産プラットフォームUnicoinおよびその幹部3名に対し、約1億ドルの詐欺行為に関する訴訟を提起した。SECによれば、Unicoinはトークンや株式受領権を付与する証書について虚偽の説明を行い、投資家を誤導していたとされる。
具体的には、CEOのアレックス・コナニキン氏、取締役のシルビナ・モスキーニ氏、元投資責任者のアレックス・ドミンゲス氏が、「Unicoinのトークンは現実の資産、特に国際的な不動産ポートフォリオによって裏付けられている」と虚偽の主張を行っていたという。しかし、実際にはその不動産資産の価値は主張された額のごく一部に過ぎず、多くの証書販売は実態のないものであったとされる。
SECは、この虚偽の約束により数千人の投資家が欺かれたとして、ニューヨーク連邦地裁に対してUnicoinと幹部らに対する恒久的な差止命令や不正利得の返還を求めている。
今回の提訴は、暗号資産市場における投資詐欺への監視強化を象徴するものであり、今後も同様の摘発が増える可能性がある。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「SEC charges Unicoin and executives for alleged $100 million fraud」
コメント
Unicoinの事件は、暗号資産業界が抱える透明性や信頼性の課題を改めて浮き彫りにしました。実際に裏付けのない資産に対して「実在する」と誤認させるような販売手法は、投資家にとって非常にリスクの高い行為です。今後、暗号資産に関する投資を行う際には、信頼できる情報源の確認やプロジェクトの実態調査を徹底することが大切です。私たち一人ひとりが慎重な判断を持つことが、資産を守る第一歩となります。