サイバーセキュリティ企業TrugardとオンチェーントラストプロトコルWebacyは、仮想通貨アドレスの詐欺手法「アドレス・ポイズニング」を検出するAIツールを共同開発したと発表した。このツールは機械学習を活用し、97%の検出成功率を誇るという。
この新システムは、実際のトランザクションデータをもとに監視学習モデルを訓練し、オンチェーン分析や行動パターンを統合して不正を検出する。アドレス・ポイズニングとは、正規のウォレットアドレスに酷似したアドレスから小額の仮想通貨を送信し、ユーザーに誤ってその偽アドレスを利用させる詐欺である。
この手法は過去2年間でBNBチェーンとイーサリアム上で2億7千万件以上試みられ、6,000件以上の成功によって8,300万ドル以上の被害が発生したとされる。TrugardのCTOであるジェレマイア・オコナー氏は、従来のルールベース検出法では対応が難しく、文脈理解とパターン認識に優れる機械学習モデルが必要であると語る。
同社は合成データを用いた継続的なモデル訓練も行っており、詐欺の手口が進化しても対応できるように設計されている。今後のセキュリティ対策の要となる技術として、業界の注目を集めている。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「AI tool claims 97% efficacy in preventing ‘address poisoning’ attacks」
コメント
仮想通貨の利用が広がる中で、アドレス・ポイズニングのような巧妙な詐欺も増加しています。そのような中、AIによる高精度な検出ツールの登場は、個人投資家にとって大きな安心材料となるでしょう。今後も詐欺手法は進化していくと考えられますが、AI技術もそれに応じて柔軟に対応できる点が心強いですね。仮想通貨を扱う際は、常にアドレスの正確な確認を習慣化することが基本の防衛策となります。