アメリカの有力銀行ロビー団体が、利回りを提供するステーブルコインの台頭に強い危機感を抱いていると、ニューヨーク大学のオースティン・キャンベル教授が警告した。従来の銀行モデルが崩れかねない中、業界は「パニック状態」にあるという。
2024年5月21日のSNS投稿でキャンベル氏は、特に金利や報酬をユーザーに与える「利回り型ステーブルコイン」が、銀行の収益構造に直接的な脅威を与えると指摘。銀行は少額の利子で預金を集め、貸出で大きな利益を得る「部分準備銀行制度」に依存しており、ステーブルコインによる高利回りはこの構造を揺るがす。
SECは2024年2月、Figure Marketsの3.85%利回りを提供する「YLDSトークン」を利回り型ステーブルコインとして初めて承認した。他にも、Tether共同創業者が手がけるPi Protocolの「USP」や、Spark Protocolの「USDS」など、利回り型ステーブルコインの導入が加速している。
キャンベル氏は、米議会がこの流れに歯止めをかければ、ステーブルコイン発行者が海外流出する恐れがあると懸念しており、金融革新に対する過度な規制を避けるべきだと訴えている。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Bank lobby is ‘panicking’ about yield-bearing stablecoins — NYU professor」
コメント
銀行に預けてもほとんど利息が付かない現代において、高利回りを提供するステーブルコインの存在感が急速に高まっています。今回の記事では、米銀行業界の危機感や規制の動き、そして新たに登場している利回り型ステーブルコインの実例を解説しました。今後の金融サービスの形がどう変わっていくのか、利用者としても注目しておきたいところです。