米資産運用会社VanEckは、Web3分野における実需型プロジェクトへの投資を目的としたプライベートファンド「PurposeBuilt Fund」を2024年6月に立ち上げると発表した。本ファンドは、Avalanche(AVAX)ブロックチェーン上で構築されたプロジェクトに特化し、認定投資家のみに提供される。

ファンドは、ゲーム、金融サービス、決済、AIなどの分野におけるトークンやベンチャー支援型プロジェクトに投資する計画であり、さらに未活用資本(アイドルキャピタル)を現実資産(RWA:Real-World Assets)に投下するという。RWAには、トークン化されたマネーマーケットファンドなどが含まれる。

運用は、VanEckの「Digital Assets Alpha Fund(DAAF)」のチームが担当し、同ファンドは既に1億ドル以上の純資産を運用中である。ポートフォリオマネージャーのプラナヴ・カナデ氏は、「次の価値創出の波はインフラではなく、実体あるビジネスから生まれる」と述べている。

Avalancheは現在、約15億ドルのTVL(預かり資産総額)を持ち、RWAや機関投資家向けプロジェクトのハブとして急成長している。独自のサブネット構造により、イーサリアム型のスマートコントラクトを制御された環境で実行できることが特徴だ。

VanEckはこれまでにも暗号資産関連のETFを複数上場させており、現在70件以上のETF申請が米証券取引委員会(SEC)に提出されている。これは、2024年初頭に政権交代後、ドナルド・トランプ前大統領の下で規制が緩和されつつある背景も影響している。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「VanEck to launch Avalanche ecosystem fund」

コメント

VanEckが発表した今回のファンドは、投機的なプロジェクトから実需志向のWeb3・RWA分野への本格的な資本移動を象徴しています。Avalancheのネットワーク構造は機関投資家にとっても魅力的であり、今後のRWA市場拡大のカギを握る可能性があります。分散型金融が「現実世界」に根差し始めた今、投資家としても新たな視点を持つことが求められます。