5月1日、ビットコイン(BTC)は長らく続いたレンジ相場を抜け出し、9万7930ドルという過去10週間での最高値を記録しました。しかし、BTC先物の年率プレミアムやオプション市場の動向を見ると、トレーダーの心理は依然として慎重であり、過熱感は見られません。ETFへの資金流入が続く一方、米中間の貿易摩擦や金の価格上昇といったマクロ経済要因が、強気相場の足かせとなっている状況です。
BTC先物のプレミアムは依然として中立的な水準であり、オプション市場でもデルタスキューが低下するなど、強気シグナルが見え始めてはいるものの、全体としては慎重な姿勢が目立ちます。機関投資家の参入は継続しているものの、デルタ・ニュートラル戦略などの影響により、直接的な価格押し上げ効果は限定的となっています。
また、金の上昇やS&P500との高い相関性が、“デジタルゴールド”としてのビットコインの魅力に影を落とし始めています。今後の展開を占ううえで、米中関係の動向が重要なカギを握ると考えられています。短期的には最高値更新の可能性は低いものの、デリバティブ市場では徐々に強気の空気が広がっており、今後の動きに注目が集まります。
※本記事は、以下の記事をもとに要約・再構成しています。
出典:コインテレグラフ ジャパン「ビットコイン 市場心理はなお慎重姿勢? ETF資金流入と米中関係が鍵に」
コメント
短期的な上昇トレンドにもかかわらず、トレーダーのレバレッジ抑制やデリバティブ市場の慎重な動きは、現状の不透明感を物語っています。ETF資金流入は心強い要素ですが、マクロ経済の逆風や金との比較優位性の問題は、今後の上値余地を制限する要因にもなり得ます。過熱感なき上昇が続く今、価格よりも市場構造の健全性に注目したい局面です。