イーサリアム(ETH)の価格は、2021年5月以来となる週次最大の上昇率を記録しつつある。2024年5月11日時点で週内37.5%超の上昇を見せ、直近24時間だけでも10.3%の急騰を記録した。
この急伸の背景には、米英間の新たな通商合意や米中貿易交渉の進展によるリスク選好の高まりに加え、5月7日に実施された「Pectraアップグレード」がある。このアップデートでは、ステーキング上限の引き上げや「アカウント抽象化(EIP-7702)」といった機能が追加され、ネットワークの柔軟性とユーザビリティが強化された。
さらに、先物市場ではショート(売り)ポジションの強制清算(ショートスクイーズ)が価格上昇に拍車をかけた。5月8日以降、ETHに対するショートポジションの清算は4億3700万ドルを超え、これが買い戻し圧力を生み、相場のさらなる押し上げに繋がった。
一方で、「メガホエール(10,000ETH以上保有するアカウント)」による蓄積も顕著であり、4月末以降その保有量は増加傾向にある。2025年3月以来となる4,075万ETH超がメガホエールにより保持されており、これは市場の上昇期待が高まっている証左といえる。
テクニカル的にも、ETHは月足チャートにおける長期上昇トレンドラインに沿って反発しており、対称三角形パターンの上限である3,400ドルに向けた40%の上昇余地があると分析されている。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Why is Ethereum (ETH) price up today?」
コメント
イーサリアム市場では、ファンダメンタルとテクニカルの両面からポジティブな要因が重なり、今後のさらなる上昇が期待されています。特にPectraアップグレードにより利便性が高まり、大口投資家の買い増しが進んでいることは、個人投資家にとっても市場の信頼感を示すサインといえるでしょう。とはいえ、急騰時には調整局面もあり得るため、リスク管理を徹底しながら今後の値動きに注目していきましょう。