ベテラントレーダーのピーター・ブラント氏は、イーサリアム(ETH)が上昇ウェッジ型のチャートパターンを上抜けた場合、3,800〜4,800ドルへの急騰(ムーンショット)が起こる可能性があると指摘した。

ETHは2025年5月7日に週足を1,807ドルで開始し、わずか7日間で38%以上の上昇を記録。これは2020年12月以来、最大の週次上昇率となる見通しである。さらに、累積保有アドレスの平均取得価格(1,900ドル)を上回って推移しており、保有者の大多数が含み益状態にあるとされる。

買い圧力の多くはバイナンスから発生しており、同取引所での高い取引量と資金流出の増加は、市場の強気なムードを反映している。


上昇ウェッジの突破が鍵

ブラント氏はX(旧Twitter)への投稿で、現在のETHのチャートにおいて「コンジェスション(混雑)パターン」が形成されており、これを上抜けた場合、ETH価格は下降トレンドラインに向けて大きく上昇する可能性があると分析。上昇ターゲットとして3,800〜4,800ドルを示唆した。

この見解は、2024年までに同氏が示していた慎重な姿勢からの転換を意味する。


デリバティブ市場でも強気傾向

2025年5月8日から11日の間で、ETH先物の建玉(OI)は42%増加し、213億ドルから304億ドルに上昇。これは過去最高値(320億ドル)に迫る水準であり、市場の関心の高まりとボラティリティの加速を示唆している。

また、週足チャートでは、ETHが50週および100週の指数移動平均線(EMA)に向かって反発しており、これは過去において相場底値のシグナルであった。

フィボナッチ・リトレースメントでも、価格は2,500ドル前後の0.5〜0.618の重要ゾーンを再テスト中で、ここからさらなる上昇の足掛かりとなる可能性がある。


短期的には調整の兆しも

一方、短期的には過熱感も見られる。5月10日時点でテイカーバイ・セル比率が1を下回り短期的な売り圧力が増していることを示唆している。この比率は、パーペチュアルスワップ取引における買い注文と売り注文のバランスを表し、1未満は弱気傾向を意味する。

そのため、今後数日は2,500ドル以下での横ばい推移や調整局面が続く可能性もある

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Ethereum chart pattern supports ‘moon shot’ rally to new price highs if confirmed — Trader」

コメント

イーサリアムは、上昇ウェッジパターンを突破すれば一気に3,800〜4,800ドルまで上昇する“ムーンショット”の可能性があると指摘されています。過去最高の週次上昇率を記録し、バイナンスでの取引量急増や先物市場での建玉増加も、強気相場の継続を後押ししています。ただし、短期的には過熱感もあるため、慎重なポジション管理とサポートラインの確認が重要です。中長期的に注目すべきタイミングが到来しているかもしれません。