米テック大手マイクロソフトと人工知能企業OpenAIが、既存の投資契約の再交渉に入っていると報じられた。これは、OpenAIが営利企業への転換を断念し、新たに非営利団体が管理する「公益法人(Public Benefit Corporation)」として再編を進める計画を発表した直後の動きである。

フィナンシャル・タイムズの報道によれば、マイクロソフトは2030年以降もOpenAIの製品やAIモデルへのアクセスを継続するため、同社に対する保有株式の一部を放棄する可能性があるという。マイクロソフトは2019年以降、130億ドル以上をOpenAIに出資しており、最大の支援者である。

OpenAIは2015年にイーロン・マスク氏、サム・アルトマン氏、イリヤ・スツケヴァー氏らによって非営利団体として設立されたが、2024年以降は営利化への構造転換を模索していた。しかし、この動きに対してマスク氏をはじめとする共同創業者や初期投資家から強い反発が起こり、2024年11月には法的な異議申し立ても提出された。

さらに2025年2月には、マスク氏率いる投資家グループが974億ドルでの買収提案を行ったが、OpenAI CEOのアルトマン氏がこれを拒否した。

最終的にOpenAIは、営利性と公益性を両立させる公益法人として再出発することを選択。この方針転換とマイクロソフトとの再交渉が、同社の将来にとって重要な局面となっている。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Microsoft and OpenAI renegotiate investment deal: Report」

コメント

OpenAIが営利企業化を断念し、公益法人としての道を選んだことは、多くの懸念を抱くユーザーにとって安心材料かもしれません。AIの社会的影響が拡大する中で、技術開発と公共性のバランスはますます重要になっています。一方で、最大の出資者であるマイクロソフトとの関係再構築も進行中であり、その行方次第ではOpenAIの技術利用や事業モデルにも影響が及ぶ可能性があります。今後もこの再編劇から目が離せません。