米中両国が互いの関税を大幅に引き下げることで合意したことを受け、ビットコイン(BTC)価格は5月12日に10万5,700ドルを突破し、4カ月ぶりの高値を記録した。これにより、チャート上の「ブルフラッグ」パターンが上方ブレイクし、15万ドルへの上昇が現実味を帯びてきた。

米国と中国の財務当局は、スイス・ジュネーブで関税合意に至り、米国は中国製品への関税を145%から30%に、中国は米国製品への関税を125%から10%に削減する方針を発表した。この発表を受けて、S&P500先物は2.8%上昇、米ドルは0.7%上昇し、対照的に金価格は2.3%下落。投資家のリスク選好が強まった形である。

この貿易摩擦の緩和は、リスク資産とされるビットコインにとって追い風となった。過去には貿易戦争の影響で市場の慎重姿勢が強まり、仮想通貨市場への資金流入が抑制されていたが、今回の合意は流動性と投資マインドの改善を示唆している。

テクニカル的にも、ビットコインは1月の11万ドル到達後、数カ月にわたって下降チャネル内での調整を続けていたが、5月初旬に上限トレンドラインを上抜けたことで強気継続のシグナルが点灯。RSIも65を超えており、買い圧力の増加を示している。

ただし、Bitwiseによると、投資家心理は2024年11月以来の高水準に達しており、短期的な過熱感が懸念されている。5月12日時点では10万7,000ドル突破後に一部利益確定売りが入り、短期的には10万ドル付近までの調整も視野に入る。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Bitcoin set for $150K BTC price rally as US, China agree to slash tariffs」

コメント

米中の関税緩和が実現したことで、リスク資産としてのビットコインにもポジティブな影響が表れています。特に15万ドルという強気なターゲットが現実味を帯びてきた一方で、過熱感も指摘されており、短期的な調整には注意が必要です。中長期的な視点では、グローバル経済の安定や金融緩和の流れが仮想通貨市場全体の追い風となる可能性もあります。投資判断の際には、テクニカル分析と市場心理のバランスを見極めることが重要です。